7月の掛軸
7月にかける掛軸とは
7月。文月(ふみづき)。七夕月(たなばたづき)とも。日本には二十四節気名で季節を表現する文化があります。文月はそれとは異なる和風月名の一つであり、とても多くの行事が行われることが特徴で、掛軸の画題(絵柄)も様々な種類があります。
たとえば、「祇園祭 」、「天神祭 」などの「夏祭り 」、「花火」はすべてこの時期に行われるものです。五節句 の七夕(たなばた)も同様であることから、意図的に集中させたと言われても頷けるほどです。
7月7日の七夕(しちせき)の節句には短冊に願い事を書いて笹竹に吊るします。
春が終わって本格的に暑くなってくるため、海開きが行われる頃です。また神聖な時期と見なされていることも多く、厄除けに適しているという考え方もあります。このように多角的な面を持つ月だけに掛軸も多様化が進んだともいえます。
その様な事柄を把握していると、掛軸に込められた意味も分かりやすいでしょう。
7月の掛軸は、朝顔(あさがお)、紫陽花(あじさい)、百合(ゆり)、鬼灯(ほおずき)、露草(つゆくさ)、撫子(なでしこ)、鮎(あゆ)、川蝉(かわせみ)、芙蓉(ふよう)があります。七夕、金魚、向日葵(ひまわり)などのほか、鷺草(さぎそう)、鶺鴒(セキレイ)、時鳥(ほととぎす)、遊鯉(ゆうごい)など種類が豊富です。
掛軸商品
月の掛軸
7月。夏。ここでは、季節掛け12ヶ月のうち、夏にかける7月の掛軸として、七夕(たなばた)、朝顔(あさがお)、金魚(きんぎょ)、鬼灯(ほおずき)の掛軸をご紹介します。
7月おすすめの掛軸の種類
朝顔・鬼灯・百合といった植物を画題(絵柄)にした掛軸がたくさんあります。
これは7月に多くの植物が活気づいて、鮮やかな様子を見せてくれることも関係しています。それと呼応するかのように、動物も活気づきます。
特に目立つのは鳥たちであり、その影響で杜鵑(ほととぎす)や川蝉(かわせみ)を画題(絵柄)にした掛軸も多く見受けられます。7月といえば「七夕 』や『夏祭り』も欠かせません。
そのため、これらの様子を描いた掛軸もたくさんあります。
水辺で楽しむことも増えるため、滝や清流を美しく表現しているものも少なくありません。清流を泳ぐ鮎や、そのなと付近で生息する川蝉などを描いた掛軸は涼やかで人気があります。
また、定番ですがやはり山水画も多くなっています。山水画は余分な装飾がないため、かえって技量が光ります。
7月の掛軸はいつからいつまで掛けるのですか
7月の掛軸を、いつからいつまで掛けるのかは
下記をご参考にしてください。(50音順)
朝顔(あさがお) 6月、7月、8月
紫陽花(あじさい) 5月、6月、7月
鮎(あゆ) 5月、6月、7月、8月
女郎花(おみなえし) 6月、7月、8月、9月、10月、11月
川蝉(かわせみ) 7月、8月
桔梗(ききょう) 5月、6月、7月、8月、9月
露草(つゆくさ) 6月、7月、8月、9月
撫子(なでしこ) 4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月
芙蓉(ふよう) 7月、8月、9月
鬼灯(ほおずき) 5月、6月、7月、8月、9月
百合(ゆり) 5月、6月、7月、8月
七夕の掛軸
掛軸のなかには物語性を感じさせるものも多いです。
特に情緒あふれる甘美なものとして、織姫と彦星の悲恋を描いたものが人気となっています。「7月7日 天の川」の伝説を知らない人は少ないでしょう。
それだけに掛軸を見るだけで、自然と物語が頭の中で再生されます。ただし、七夕でも他の面から描かれている掛軸も存在します。
たとえば、子どもにも親しみやすい作品として「笹の葉 願い事」を主題にしたものも見受けられます。
朝顔の掛軸
朝顔の掛軸は、6月、7月、8月頃まで掛けます。朝顔はもとは薄い青色ですが白、桃色、紅色、紫、濃紺などもあります。
朝顔という名前は、朝の容花(かおばな)という意味です。容花とは、美しい容姿を持つ花のことです。 朝つゆに濡れた朝顔には心が洗われるような美しさがあります。
朝顔のつるは風通しをよくしてくれ、涼風をはこんでくれるだけでなく風情があります。 その楚々としたすがたは、七夕のころ花が咲くことからも伝説にまつわる縁起の良いものとされました。 鵲(かささぎ)という鳥が羽根を連ねて織姫と彦星の橋渡しをしたといいます。
朝顔の掛軸は床の間に掛けると涼やかですね。花のなかで最もモチーフにされることが多いのは朝顔です。日本の夏の花を問われると、朝顔やヒマワリと答える人が多いでしょう。
床の間に飾る掛軸に朝顔はとても似合います。和やかに咲く様子に風情を感じる人が多く、書斎などに掛けても清々しいですね。
『朝』と『夏の彩り』という2つの要素を持っており、それらが生み出す調和が空間に優しい雰囲気を漂わせてくれます。
金魚の掛軸
金魚の掛軸は7月から8月頃まで掛けます。
金魚のおよぐ涼しげな姿は 夏に涼を添える風物詩です。敷石と水を入れた金魚鉢に草を浮かべ、金魚を放して愛でることが古くから伝わる楽しみですね。
中国から伝来した金魚は江戸時代から庶民にまで広まり、時を経ても尚、様々な美しさを見せてくれます。
愛好家も数多く、8月の掛軸の題材とされることも珍しくありません。
夏に涼を感じさせてくれる金魚の掛軸は、風流でありながら、幼い子にもわかりやすく可愛らしいですね。
鬼灯(ほおずき)の掛軸
鬼灯の掛軸は5月、6月、7月、8月、9月に掛けます。5月頃から花が咲き始め、8月頃から実を包み込んでいる赤い袋状の萼(がく)が色づきはじめ、風情のある姿を見せてくれます。
鬼灯も朝顔に次ぐ人気を誇っている夏の花です。
有名なのはほおずき祭りです。朱色を中心に鮮やかな鬼灯たちが多くの人たちの心を躍らせてくれます。
夏の彩りとしては朝顔にもまったく負けていません。赤くて膨らんでいる様子が頬を連想させるので、こういった面白味のある名前が付けられました。
それに鬼や灯という字が充てられた理由は諸説あります。いずれにせよ、鬼灯は印象的な7月の花として掛軸の画題(絵柄)として好まれています。
紫陽花(あじさい)の掛軸
紫陽花の掛軸は5月、6月、7月頃まで掛けます。あじさいは梅雨時の瑞々しい掛軸の画題(絵柄)として非常に人気があります。
紫陽花は精気の強い植物だとされており、日本に古くから自生していたようで 額紫陽花や山紫陽花がよく目に入ります。
梅雨、初夏の代表的な植物の1つであり、俳句の季語にもなっているほどで、古くから愛されているこの植物だからこそ伝統的なお道具である掛軸の画題(絵柄)にあじさいはおすすめです。
選ぶ種類によって花の色や形が微妙に違っているので、お気に入りのものを見つけると良いでしょう。
茄子(なす)の掛軸
茄子の掛軸は5月、6月、7月、8月、9月、10月頃まで掛けます。
茄子(なす)と『成す』の語呂合わせで、成就を表す縁起物とされます。
また、有名な『一富士二鷹三茄子』のひとつでもあり、延期の良いものとされます。
その由来には諸説あります。駿河国の名物を並べたという説が最も有力だといわれています。
徳川家康(とくがわ いえやす)が隠居後の居城としていた駿河国にあった駿府城(すんぷじょう)。日本一に美しく高い山である富士山、富士山麓に棲む鷹の中でも最高種の鷹、駿河国で生産され逸品の茄子。これらを優れたものの象徴として三つを並べたというものです。
茄子だけが描かれた掛軸は、5月から10月まで掛けますが、『一富士二鷹三茄子』の掛軸は新年などにも掛ける事ができ、縁起物の年中掛けとしても飾れます。
古忨堂は骨董を通して日本のものつくりの文化で育まれた知恵を楽しくお伝えしていきます
このホームページ内に書かれた専門的な内容は、長い間に古忨堂にお越しいただいていた、様々な「道」に精通されているお客様や先生方、また同業の古い先輩方から教わった事が多く書かれています。
他のWEBページに載っていないことも多いかもしれません。
文章内容には誤解が出ないように注意しておりますが、時代や流派、地域などの違いで齟齬もあるのではないかと思います。現在何かの「道」の習得などに励んでいらっしゃる方は、このホームページを含めてWEB上の知識ではなく、直接おしえてくださっている先生のお話をお聞きくださるよう、お願い申し上げます。
直接古忨堂へお越しいただく場合
阪神百貨店梅田本店8階にて、連日午前10時から午後8時まで営業しております。
(1月1日はお休みです。他は阪神百貨店の営業予定日をご確認ください。)
大阪メトロ梅田駅 / 東梅田駅 / 西梅田駅 / 阪神電車・大阪梅田駅 / 阪急電鉄・大阪梅田駅 / JR大阪駅が最寄りです。
ネット通販から工芸品や古美術を購入する方法
ページ内に[ 〇〇〇〇〇はこちら ] というボタンがありましたら、そのボタンをクリックするとその内容の古忨堂の商品検索結果があらわれます。画像をクリックできるものは直接その商品ページをご覧いただくことができ、販売サイトから直接お買い求めいただけます。各販売サイトの特典が使用できます。
また、一部の作品は阪神百貨店のRemo Order(リモオーダー)などを利用してご購入もいただけます。
その場合、販売サイトの購入ボタンは押さずに作品ごとにお問い合わせください(ヤフオクの競りあがっている商品、及び¥10,000未満の商品は全てご利用いただけません)。
送料は別途かかります。リモオーダーでは阪急阪神百貨店のポイントやカード割引など通常のリモオーダー取引と同じ特典をご利用いただけます。
詳しくは阪神百貨店のホームページもご覧ください。
掛軸・工芸品・古美術品の販売=ご注文依頼の方法
その際、お探しのお道具類の
使う用途(普段使い、慶事、フォーマルな茶会、収集、など)
使う予定(季節、日時、目的(趣向)、お稽古用、など)他の取り合わせ(茶事・茶会や床飾りなどの場合)
ご予算(わかれば)
など、お教えいただけますと迅速にご対応できます。
掛軸・工芸品・古美術品の買取=売却をご希望の方
tel : 06-6341-1000 までお問い合わせください。
その際、売却希望の作品の画像をお送りいただけると早くご対応可能です。
ジャンルによって必要な画像が違いますので、詳細ページをご覧ください。