8月の掛軸
8月にかける掛軸とは
葉月(はづき)。夏盛り。暦の上では秋でも猛暑 という特徴があり、二十四節気の節気は処暑と言い、夏の終焉を感じさせる季節でもあります。
日本には季語がありそれを表す花鳥風月や事物があり、春夏秋冬を楽しむ行事があります。盛夏である8月には猛々しい打ち上げ花火や青空に浮かぶ入道雲などと共に好まれるのが、清涼で透明感のある涼し気な風情なのです。
だからこそ、8月に飾る掛軸も同様に、夏の迫力と涼し気で冷気の漂うような画題(絵柄)が好まれます。
8月の掛軸で代表的なものは、季節に合わせた涼しさを感じる水の風景や金魚、盆踊りや阿波踊り、花火など一目で風物詩だと分かるものから、朝顔や向日葵のような温暖な季節に咲く花まで、時節の風雅を窓辺に例えて飾り付けるのには相応しい画題(絵柄)が沢山あります。
8月の掛軸には、朝顔、金魚、鮎、川蝉、芙蓉(ふよう)、百合(ゆり)、鬼灯(ほおずき)、露草(つゆくさ)、撫子(なでしこ)、茄子(なす)、鶏頭(けいとう)、瓢箪(ひょうたん)、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)、蛍、蓮、水蓮、盆の画題(絵柄)など種類が豊富です。
(画像) 掛軸 遠田一成 蓮
掛軸商品
月の掛軸
8月。夏。ここでは、季節掛け12ヶ月のうち、夏にかける8月の掛軸として、朝顔(あさがお)、金魚(きんぎよ)、鮎(あゆ)、瓢箪(ひょうたん)、川蝉(かわせみ)、瀑布(瀧)、夏の山水をご紹介します。
8月の掛軸はいつからいつまで掛けるのですか
8月の掛軸を、いつからいつまで掛けるのかは
下記をご参考にしてください。(50音順)
朝顔(あさがお) 6月、7月、8月
鮎(あゆ) 5月、6月、7月、8月
桔梗(ききょう) 5月、6月、7月、8月、9月
女郎花(おみなえし) 6月、7月、8月、9月、10月、11月
川蝉(かわせみ) 7月、8月
露草(つゆくさ) 6月、7月、8月、9月
撫子(なでしこ) 4月、5月、6月、11月
芙蓉(ふよう) 7月、8月、9月
鬼灯(ほおずき) 5月、6月、7月、8月、9月
百合(ゆり) 5月、6月、7月、8月
8月に掛けるおすすめの掛軸
8月に掛けるおすすめの掛軸は暑さを吹き飛ばす豪快で迫力のある掛軸から、反対に繊細で壊れてしまいそうな華奢な画題(絵柄)まで様々で幅広いものが選ばれます。
例えば夏祭りではお馴染みの金魚などは、一年を通じてとくに夏に馴染み深いですね。鯉 、鮎 なども掛け軸の画題(絵柄)によく選ばれます。
山水、夏景色、海景などの風景画や、阿波踊り 花火などの年中行事や迫力ある杜鵑、川蝉、孔雀 など、生命が咲き誇り謳歌する季節だけあって種類が豊かなことも、8月掛軸のもう一つの特徴かもしれません。
また露草、薊、芙蓉、葵 蓮(睡蓮)、紅花 のような水の上に咲く花々たちも人気であり、水気と水面に浮かぶ葉や花の風情が好まれています。
朝顔の掛軸
朝顔の掛軸は6月から8月に掛けます。朝顔はもとは薄い青色ですが白、桃色、紅色、紫、濃紺などもあります。
朝顔という名前は、朝の容花(かおばな)という意味です。容花とは、美しい容姿を持つ花のことです。 朝つゆに濡れた朝顔には心が洗われるような美しさがあります。
朝顔のつるは風通しをよくしてくれ、涼風をはこんでくれるだけでなく風情があります。 その楚々としたすがたは、七夕のころ花が咲くことからも伝説にまつわる縁起の良いものとされました。 鵲(かささぎ)という鳥が羽根を連ねて織姫と彦星の橋渡しをしたといいます。
朝顔の掛軸はいつの時代にも、どんな世代にも愛される爽やかで清楚な8月の代表的な画題(絵柄)です。
金魚の掛軸
金魚の掛軸は7月から8月頃まで掛けます。
金魚のおよぐ涼しげな姿は 夏に涼を添える風物詩です。敷石と水を入れた金魚鉢に草を浮かべ、金魚を放して愛でることが古くから伝わる楽しみですね。
金魚の掛軸は中国由来の縁起物です。
中国から伝来した金魚は江戸時代から庶民にまで広まり、時を経ても尚、様々な美しさを見せてくれます。
金魚という発音は「金余」(お金が余る)と発音が同じだそうです。そこから中国では金魚はお金が余る=蓄財に通じる縁起の良い魚とされています。
愛好家も数多く、8月の掛軸の題材とされることも珍しくありません。
夏に涼を感じさせてくれる金魚の掛軸は、風流でありながら、幼い子にもわかりやすく可愛らしいですね。
鮎の掛軸
鮎の掛軸は7月から8月まで掛けます。透明で清らかな水でしか生きられず「清流の女王」とよばれています。
独特の香気があることから香魚(あゆ・こうぎょ)とも表記されます。 蓼酢(たです)でいただくと美味で季節を味わうことができます。
願い事が叶うか魚釣りで占った神功皇后(じんぐうこうごう)の鮎釣り伝説は有名です。たちまち鮎が釣れ、神が味方し願いが成就すると確信したといいます。諸説ありますが「鮎」という字の由来ともいわれています。
夏の掛軸としてとても好まれる画題(絵柄)です。
瓢箪(ひょうたん)の掛軸
瓢箪(ひょうたん)の掛軸は7月、8月、9月頃まで掛けます。
果実が鈴なりになることから、『商売繁盛』、子孫繁栄』、また、その形が末広がりであることから縁起が良いとされてきました。
豊臣秀吉もあやかったという『千成瓢箪(せんなりびょうたん)』も有名ですね。
語呂合わせや言葉遊びから、6つ揃った瓢箪「六瓢」は、『無病(むびょう)』とかけて『無病息災』、ほかにも、3つ揃った『拍子が揃う』、『瓢箪から駒』など縁起が良いとされるのも頷けます。
瓢箪の掛軸は果実がなる季節意外にも縁起物として年中掛けにすることもできます。
川蝉(かわせみ)の掛軸
川蝉の掛軸は7月から8月頃掛けます。
川蝉は水辺に生息する野鳥であり、翡翠色をした背中とオレンジ色の腹部が美しい鳥です。
翡翠 宝石の様に色鮮やかと謡われた鳥であり、山深い清流では鮎やヤマメなどの魚をその鋭いくちばしで狙うこともある、森のハンターとして知られています。
雀よりも大きく椋鳥(むくどり)などよりは小さい小型な部類の野鳥です。
涼しげな印象が愛されており渓流の宝石と呼ばれ、水質の良い水源に生息しています。
8月の掛軸の代表的な画題(絵柄)です。
瀑布(瀧)の掛軸
年中見えるものなのですが夏の室内をとても涼しげに見せられる掛軸なので、夏の一幅として紹介しています。
音が聞こえてきそうな水の流れは見る者に涼しい水しぶきを連想させてくれます。
床飾りの花器に水盤を使って、水を張った上に瑞々しい楓の葉など浮かべれば、家の中でマイナスイオン効果まで感じさせてくれるおもてなしが期待できそうです。
山水画の掛軸
山水画と言えば中国から伝来してい本で独自の文化を切り開き、削ぎ落した表現手法の中に特殊な空気感と奥行きを感じさせる水墨画様式の日本画です。
古来、名作が描かれており、親しまれています。
避暑地や物見遊山を感じさせるモチーフである湖 山、海辺、避暑地の風景や、清流、湖畔を描いた瑞々しく涼し気な風景は、水墨画の中では定番の題材になっております。他にも滝や煙が香る深山なども好まれているのです。
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